グッドデザイン賞2018 金賞受賞
富士ソーラーハウスが施工を担当した谷中のホテル’hanare’が、このたび2018年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会) 金賞を受賞しました。
また、去る2018年10月31日に六本木グランドハイアット、グランドボールルームにおいて行われました。
グッドデザイン大賞選出会においては、2000人以上の来場の中、
ファイナリストとして上位6組で行われる大賞選出のプレゼンテーションをする機会をいただきました。
結果、惜しくも大賞は逃し得票数3位となりましたが大変光栄な機会となりました。
総エントリー4,789分の3位ということで、夢のような結果であることに違いはありません。
この結果は’hanare’プロジェクトに関わったすべての人、そしてその家族や大切な人にとって大きな誇りになるべきものだと思います
‘hanare’プロジェクトは
建物オーナー:越後崇さん
企画・設計・運営:HAGI STUDIO(宮崎晃吉さん)
不動産契約:尚建(徳山明さん)
施工:富士ソーラーハウス
というチームワークでした
それぞれの立場・思惑・出会いのタイミングに導かれて、’hanare’というホテルに向かって一丸で取り組むことになった流れは、それだけでひとつの大きな物語というべきものがあります。
尚建:徳山さんは以前からこの建物の管理を任され、いくつかのアイディアを提案していたものの、決め手に欠け、それでもこの建物のポテンシャルに魅せられていたそうです。
そこにHAGI STUDIO:宮崎さんが「まち全体をひとつのホテルに見立てる」というアイディアの元、「第二丸越荘」に着目し、登記簿の元に手紙を送ってみたり(もどってきてしまったそうです)するうち、ご近所さんがどうやら尚建さんが管理を請け負っているという話を聞き、構想を尚建さんに持ち込んだのでした。
富士ソーラーハウス代表の大澤正美はWEB上の記事で宮崎さんの活躍を見ていて、とても興味を持っていたところ、宮崎さんを含む鼎談が開催される機会があり、これを見に行っていました。
宮崎さんのWEB上での活躍に加え、本人の話に引き込まれ、鼎談終了後の懇親会に急遽参加させていただき、宮崎さんに挨拶をさせていただきました。
それが出会いでした。
そこから数ヶ月後に宮崎さんから大澤に電話が入りました。懇親会で話が出ていたホテルのプロジェクトが動きそうなので、一緒にやりませんか?というオファーでした。
宮崎さんの考える事業収支の中で、第二丸越荘を’hanare’へとリノベーションするときにかけられる費用をはじき出し、その予算でできるベストパフォーマンスを宮崎さんに助言しました。
工事にワークショップやDIYも導入してコストパフォーマンスをあげ、予算内でできることを増やしました。
そうして事業収支計画も明るい見通しが立ち、工事契約、施工、竣工、そして3年の運営機関を経て、満を持して今回のグッドデザイン賞エントリーとなったのでした。
企画・設計・運営しているHAGI STUDIOの宮崎さんのお話です。
『グッドデザイン賞の歴史は1957年から始まっているそうです。1957年というと、萩荘が建てられたのが1955年なのでほぼ同時期。戦後間もない時期から始まっていると思うと驚きます。萩荘や、hanareの客室棟の丸越荘は木造アパートですが、これも当時が生んだいわゆる戦後復興のプロダクトデザインと言えると思います。安価に素早く供給されるために生み出された”作品”というよりは”プロダクト”としての建築が、60年以上の時を経て現代においてグッドデザイン賞で評価されたというのが興味深いなと。
hanareは運営を始めてから三年経ってからの応募でした。以前からお誘いは頂いていたのですが、やはり作っただけで評価を仰ぐというのは違うと思い、三年の運営を通してからの応募となりました。』
なるほど!
第二丸越荘は風呂なしトイレ共同アパートでしたが、4間角という伝統的なモジュールに1フロア4部屋の個室とトイレそして玄関と階段があるだけの建築です。
それはまさに産めよ殖やせよの時代のプロダクト住宅でした。
宮崎さんの言うように実に興味深いことであると同時に、僕らの身の回りですでに価値を失っていると思われているような「もの」にも再び息吹を吹き込むことができることを証明してくれていることにとても勇気をもらいました。
素晴らしい仕事に関わることができた喜びを社員一同、職人一同、そしてその家族とも分かち合い喜びあいつつ、さらに建築の持つ力に希望を持って、工務店という仕事を通じて世の中に貢献していきたいと思います。